Niceratus Kiotensis
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Zetzel, J.E.G.(2018), Critics, Compilers, and Commentators: An Introduction to Roman Philology, 200 BCE-800 CE, Oxford.

さっき届いたのでサッと頁を繰ってみました.一言で言うとDickeyのこれ(gnosia.info/@ncrt035/8938 )のラテン語版ということでつまりは必携書です(序文も著者がそういう本を書かないかという提案を受けたときの話から始まる).
紀元後3世紀初めまでのローマにおける文献研究の概略及び古代後期の辞書,註釈,文法を扱った部分からなる第1部,そうした著作形態で大枠に分類した上で註釈対象の古典作家や学者名ごとにその概略,テクストや翻訳,研究文献にどのようなものがあるかをまとめた第2部と50頁弱の文献表+索引から成る.

多少とも勉強が進むと古典作家について書かれた古代(及び中世初期)の文献を見る必要や興味が生じるものの,そのあたりの案内をしてくれる手頃な本がなかなかなくて困っていたのがこれで解決しそう.

DickeyにあったようなReaderやGlossaryはない(というか語彙についてはラテン語はSchad(gnosia.info/@ncrt035/994270437 )があるので不要)一方,文献表にはURL付きで写本資料も多く挙げられていて,オンラインで利用できるものにはそうとわかる指示が付いている.

古代における学問実態や註釈・文法の研究は近年盛んになってきていて現在進行形で色々な論文やテクストが刊行されていっている.Dickeyの本もすでに10年近く前のものなのでこれまでの間に完成したり新たに行われたりした研究もあってそのあたりの補遺も欲しくなってきているところで,Zetzelのこの本にもやがてそういう需要が出てこないとも限らない.
また(避けるべきことではあるが)記載されているオンライン資料のURLやサービスの形態が変わることもありうるので,こうした情報に関しては紙で完結させた形ではなくて,気付いた人がそれを訂正・更新できるような情報提供のあり方でもいいのかもしれない(もしかして私が知らないだけでもうある?)

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Ariadna

古典という迷宮の誰が辿るとも知れぬ糸
Niceratus Kiotensisが学術,とくに西洋古典文献学関係のメモとか書誌情報とかを細々と記録したりするためのおひとり様インスタンスです……が,卒鳥への動きに伴いもっと自由な運用になってきています.このインスタンスについてもっと詳しく.