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「モミッリャーノは大きく言って、歴史学およびフィロロジー(文献学・校訂学)における実証主義を批判する動向に属します。18世紀末から、歴史研究のターゲットとして「固い事実」に辿り着くということが浮上します。これとパラレルに、写本の伝承に関してはオリジナルな正しいテクストがある、という風に考えるわけですね。ところがモミッリャーノは、複雑で立体的に組み上がった社会的現実の長期的な変化こそがターゲットなのではないか、テクストには初めから異本が存在しており、どちらが正しいかではなく異本が存在すること自体が貴重な現実ではないか、という視点を持っていました。ただし彼の場合、構造主義や現象学といった実証主義批判の多様な陣営の中で、むしろ初期近代以前のイタリア人文主義に帰ろうとする側面があり、そのぶん堅固な基盤を持ち、理論的にはオープンです。これは、イタリアでは脈々と流れ続ける最高度の知識層が育んできたもので、その中からしか生まれなかった姿勢であると言えます」
木庭顕氏に聞く 立体的な思想史を描き出す - 木庭顕|論座 - 朝日新聞社の言論サイト webronza.asahi.com/culture/art

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Ariadna

古典という迷宮の誰が辿るとも知れぬ糸
Niceratus Kiotensisが学術,とくに西洋古典文献学関係のメモとか書誌情報とかを細々と記録したりするためのおひとり様インスタンスです……が,卒鳥への動きに伴いもっと自由な運用になってきています.このインスタンスについてもっと詳しく.